精密写真と腐食技術の応用により加工を行うエッチング(フォトエッチング)加工。ここでは、よく比較されるプレス加工と比べた場合のメリットとデメリットを紹介します。
エッチング(フォトエッチング)加工のメリットは以下の3つです。
ここでは上記についてそれぞれ詳しく解説します。
エッチング(フォトエッチング)加工は金型の作成を行う必要がありません。それに加えエッチング(フォトエッチング)加工で使用されるフォトマスクは金型と比べて安価であるため、イニシャルコストが抑えられます。
フォトマスクは短時間で作成できるため、短納期での対応が可能なメリットもあります。試作品を短納期で作りたいなどの要望にも、エッチング(フォトエッチング)加工ならスピーディーに対応できます。またパターンの変更が必要な場合には、フォトマスクの変更も容易です。トラブルにも柔軟に対応しやすい加工方法といえます。
エッチング(フォトエッチング)加工は工具も金型も用いない非接触加工のため、プレス加工などで懸念されるバリやカエリ、ひずみ、たわみなどが発生しません。
薄板の加工や複雑な形状の製品加工に適しており、繊細なデザインも表現できます。板厚の半分程度を残す「ハーフエッチング加工」にも対応可能です。
またエッチング(フォトエッチング)加工は写真画像として取り込んでエッチングパターンを作成することもできるため、数値化されたCADデータでなくても、イラストやスケッチ画などを画像データとしてスキャンし、そのままの形状を再現できます。
エッチング(フォトエッチング)加工についての詳しい解説はこちら
エッチング(フォトエッチング)加工には以下のデメリットがあります。
ここでは、これらのデメリットについて解説します。
エッチング(フォトエッチング)加工はプレス加工のように、金型を製作しない分、初期コストが抑えられます。エッチング(フォトエッチング)加工の具体的な工程は以下の通りです。
上記のように工数が多いため、エッチング(フォトエッチング)加工はプレス加工と比べて大量生産時のコストが大きくなる可能性があります。
エッチング(フォトエッチング)加工は、材料が厚いと加工時間が長くなる傾向にあり、寸法のコントロールが困難になってきます。一方で材料が薄ければ薄いほど、シャープで高精度な加工ができます。
材料によって最大加工板厚は異なりますが、大体2mm程度までとされています。メーカーによって対応できる素材・厚さが異なるため、事前に確認しましょう。
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