エッチング(フォトエッチング)加工の仕上がりは、主に5種類の形状から選んだり組み合わせたりすることができます。
ここでは、そんな5種類のエッチング(フォトエッチング)加工の種類(エッチング(フォトエッチング)加工から得られる形状の種類)について、主なものを紹介しています。
「貫通エッチング」「ハーフエッチング」「多段エッチング」「テーパーエッチング」「斜めエッチング」の5種類について、それぞれくわしく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
それでは、「貫通エッチング」「ハーフエッチング」「多段エッチング」「テーパーエッチング」「斜めエッチング」の5種類のエッチング加工について、どのような技法で仕上がりはどのようになるのかを、それぞれ見ていきましょう。
「貫通エッチング」は、エッチング(フォトエッチング)加工において最も基本となる加工方法です。通常「エッチング(フォトエッチング)加工」と言うときには、この貫通エッチングのことを指します。
具体的には、加工対象となる金属板材の表面と裏面の両面からエッチング液で同じ部分を腐食・溶解させます。
両面から溶かしていってお互いに突き当たったところで完全に穴が開き、貫通させることができるわけです。
「ハーフエッチング」は、基本となる「貫通エッチング」のように金属板材の両面から腐食・溶解させるのではなく、片面からのみ腐食・溶解させます。
これにより、金属板材を貫通させることなく、板厚の一部だけをエッチングしてポケット形状に加工することができます。
通常は板厚に対して60%~70%ぐらいの深さにエッチングしますが、用途などに合わせて、深くしたり浅くしたりと深度を調整することも可能です。
「多段エッチング」は、上で説明した「ハーフエッチング」における板厚に対する深度を、部分ごとに変える加工方法です。
つまり、すべて同じ深さのポケット(溝)にするのではなく、30%の深さの所と50%の深さの所と70%の深さの所が共存している、といった仕上がりになります。
貫通している所を共存させることも可能です。
ポケットの深さが箇所によって異なり、いくつもの段ができるため、「多段エッチング」と呼ばれます。非常に難易度の高い加工方法です。
通常のエッチング(フォトエッチング)加工(貫通エッチング)では、表面からも裏面からも同じ幅の穴を掘って(溶かして)いきます。
そのため、貫通した穴は上から下まで同じ幅です。
つまり、両面から100ミクロンの穴を掘っていけば、結果として100ミクロンの大きさの貫通穴が開くわけです。
ところが「テーパーエッチング」では、表面からは100ミクロンで掘っていき、裏面からは200ミクロンで掘っていくというように、片面ずつ穴の幅を変えます。
そうすることでテーパーのついた貫通穴に仕上げることができます。
通常の貫通穴と、テーパーの貫通穴を共存させることも可能です。
「斜めエッチング」は、表面と裏面のまったく同じ位置から掘って(溶かして)いくのではなく、位置をずらして掘っていくやり方です。
こうすることで、それぞれの開口部がずれたかたちで穴が開き、斜めの仕上がりになります。
あまり一般的な加工方法ではありませんが、用途によって利用されることがあります。
エッチング(フォトエッチング)加工についての詳しい解説はこちら
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