人体に優しい、安全な金属として知られるチタン(Ti)。銀灰色をした高品質・高価な金属で、元素記号 は「Ti」です。
チタンは、戦後になってから工業分野で幅広く使われるようになりました。日本の高度経済成長期を支えてきた材料と言えるでしょう。
チタンは、大きく「純チタン」「合金チタン」の2種類に分けられます。
「純チタン」は不純物をほぼ含まないもので、その性質等によってJIS1種〜JIS4種までの4種類に分類されています。
他方の「合金チタン」は、チタン本来の特性を生かしつつ、他の材料(バナジウムやアルミニウム、パラジウム、モリブデンなど)をプラスすることでより性質を高めた合金。
先端的な製品や未来技術開発などの分野で多く活用されています。
ここでは、エッチング(フォトエッチング)加工・拡散接合の専門会社であるアロン社にチタンのエッチング加工について聞いています。
チタン(Ti)が持つ主な特徴を、以下にリストアップしました。
チタンは、錆びにくいという特徴を持っています。
とくに塩水、海水に対する錆びに強く、その耐食性の高さはプラチナにも匹敵すると言われます。
この特性を生かし、海洋建造物の材料として用いられることも多いです。
熱に強いのもチタンの特徴のひとつで、溶ける温度は約1660℃です。
鉄は約1530℃、銅は約1080℃、アルミは約660℃なので、チタンがどれだけ熱に強いか分かります。
チタンは、低温状態において急激な脆化現象を示しません。
常温時と比べて低温時に靱性を現すのも特徴で、曲げても元に戻る性質は鉄の約2倍と言われています。
こうした特性を生かし、チタンは地震対策として建築材料に使用されることもあります。
チタンは、その優れた強度でも知られています。
一方で軽量性が高いため、製品質量を軽くすることも可能です。
こうした特性から、強度を要するロケットや航空機などの材料としても活躍しています。
ここまで見てきたようにプラス面の特徴を多く持つチタンですが、価格が高いという一面も持っています。
製造時に還元・真空分離をさせるためたくさんの電気量を要することが、大きな要因です。
チタン同様に優れた強度を持つステンレスと比べ、重量比で10倍ほどの価格差があります。
チタンは、その優れた強度ゆえに加工が難しいのも特徴です。
溶接や切削、プレス成形も難しく、加工においてはその特性に合わせた方法と技術力が求められます。
メタル(金属)エッチング(フォトエッチング)加工
についてもっと詳しく
当サイト【匠の加工】は、「エッチング(フォトエッチング)加工と拡散接合」専門会社であるアロン社の取材協力の元、川嶋印刷株式会社が運営しています。
アロン社によるチタンの
エッチング(フォトエッチング)加工
チタンは極めて腐食しにくいので、溶かすにはそれ相応の薬品が必要になるとのこと。また、その薬品の処分の困難さ、及び地球環境に与える影響を鑑みて、アロン社ではチタンのエッチングは受け付けていないとのこと。
当サイトで調査した中でも、チタンをエッチングの加工材料として受け付けている会社は少ないのは、そういった理由が背景にあります。
チタンを使用したい場面もあるかもしれませんが、アロン社であれば安価な他材料での代替案を提案可能ですので、問い合わせしてみてください。
03-3453-3037
アロン社公式サイトへ
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